神戸市立医療センター中央市民病院の真実

子宮筋腫で悩む方にいい治療を受けて頂くためのサイトです

医療裁判 神戸市立医療センター中央市民病院:子宮筋腫治療の説明義務は?  
宮本和尚医師、北正人医師尋問へ

第5章 神戸市立医療センター中央市民病院 調停から訴訟へ1


1.神戸地裁へ調停、訴訟へ


2016年10月

弁護士をたてずに、調停を申し立てましたが、話し合いには乗ってきませんでした。
この時の申立書には子宮全摘を拒否したにもかかわらず温存方法を教えてもらえなかったと記入しましたが、
病院側からの回答は、全摘拒否は聞いていないと返ってきました。
そしてこの時、核出術もできたのではないかと思うようになってきていました。
病院側が調停に乗ってきたら、核出術ができたのではないかと質問するつもりでした。
最初は宮本和尚医師に対してでしたが、途中で私は北医師に対しても問診義務違反は無いのかと疑問に思いましたが、 弁護士には取り合ってもらえませんでした。
(この時資料として出したのは、第1章の入院と外来の記録と、宮本医師が書いた、 手術前の卵巣のイラスト・入院中のイラスト・退院後のイラストなどの資料です。)



2016年10月神戸地裁へ訴状を提出。
弁護士からは、手術は全摘しかなかったのではないかと言われ、せめてアゴニスト療法に関して説明義務があったのではないかと言われました。

内容は子宮を温存して行う他の治療方法について説明を行わず、宮本医師に対する自己決定権侵害の損害賠償請求です。


原告側の主張

・原告が被告病院を受診した理由は、下腹部腫瘤感の軽減であり、手術希望で紹介してもらったわけでない。
K医師の紹介状に「オペ希望」とあるが、K医師の誤解である。
その経緯は、K医師も手術を勧めたが、原告には迷いがあり、 他に治療方法が無いか別医の診察を受けたいという希望であっただけである。

・北医師から、筋腫が小さければ薬物療法を選択することもあるが、筋腫の大きさから子宮摘出を告げられたこと、 北医師から直接手術希望の確認も求められたこともない。

・11月7日の宮本医師の診察で、原告は手術の必要性について疑問を呈している。
このとき他の治療方法について何ら説明しておらず、手術を受けるか否かの決断を原告に迫ったにすぎない。
この結果、原告は、子宮全摘手術以外に治療法が無いと誤信した結果、手術を受けることに同意した。

・手術・検査に関する説明書(同意書)は11月7日ではない事。

・手術療法以外の治療方法は適応が無い事の説明はしていない。

・アゴニスト療法が、閉経間近であったことからも、選択可能な治療方法であったと主張。

・アゴニスト療法の説明を怠ったことにより選択肢を奪われた。

産婦人科診療ガイドライン「婦人科外来編2014」や製薬会社のリュープリンの説明添付文書(縮小実績)、 東大病院のHP偽閉経療法の抜粋、新聞記事の「超高齢出産の可能性」、陳述書などを提出しました。


この時の陳述書の内容には、

東大病院の返書には書かれていなかった、「東大病院では手術するにしても、生理を止めてから腹腔鏡でトライ」や、 色々な病院のHPで「巨大筋腫に対して、アゴニスト療法後に腹腔鏡で手術した、あるいは核出術をした」

等を書き添えました。

被告側の主張

・子宮摘出手術を希望している患者として紹介された。

・11月7日に同意書で、創部・合併症等の説明をして、渡した。

・紹介状が手術希望であり、紹介元で治療方法の説明がなされていると思われるので、 手術以外の治療方法についてすべて説明する義務があるとはいえない。

・筋腫の大きさから手術療法以外の治療方法は適応が無い事を説明した。

・偽閉経療法はサイズの小さい筋腫で閉経に伴う縮小により症状の消失が、 本件では期待できないので、適応はない。仮に治療を実施したとしても、巨大筋腫がある程度縮小したとし、 閉経しても、合併症が起こりやすい状態であり、治療としては適切ではない。

・北医師が考え得る治療方法について一通り説明して、子宮摘出術の適応がある事を説明した。

・原告に適応のある薬物療法は無く、手術療法が第一選択。

・他院から手術希望で紹介された患者には治療方法、手術の術式、合併症等一通り説明し、 よく考えてもらい、2回目で予約を取る。

・本件は1回目で予約を取っているのは患者希望で、手術に積極的であった。

・休養期間をおいてのアゴニスト療法の繰り返しは、選択するだけの根拠がない限り、 治療として不適切であり、通常は行われていない。

・当時偽閉経療法の副作用に関する別紙「子宮筋腫・子宮内膜症治療の注射を受けられる方へ」説明をした用紙があったが、 原告に偽閉経療法の適応はなく、交付していないものと思われる。



2.陳述書の内容(病院側)

北正人医師

・当時産婦人科部長を務めており、診療業務のほか、患者を曜日によってスタッフのスケジュールに合わせて、 科内で割り振りしていた。


・基本的に地域医療機関で治療方針について説明を受けた上で、手術希望で当院を受診されるものと理解している。

・通常、子宮筋腫の治療方法全体について説明し、適応となる治療の選択肢を示す。
少なくとも30分かけて、説明している。手術希望で受診されている患者でも、手術以外の治療方法も説明する。

・挙児希望を考慮する。

・薬物療法は不正出血や月経困難に対する対症療法としては有効だが、 不正出血等の症状が無い場合は適応が無い。

・巨大筋腫の場合、筋腫を温存しておくことで、静脈血栓症という重大な合併症の危険があり筋腫核出術には不適の為、 挙児希望が無ければ、子宮全摘術を選択することがほとんど。

・原告の症例は、非常に大きなサイズの巨大筋腫であり、子宮全摘出術が第一選択肢となる典型的なもので、 子宮を温存した場合は静脈血栓症で死亡するリスクもあり、このような巨大筋腫で子宮を温存する治療は通常考えない。


・初診時、偽閉経療法も含め、子宮筋腫治療方法について一通り説明したうえで、 子宮全摘出術を勧めた。

・初診時、原告からは挙児希望・温存希望という話は無く、手術を強く希望していたように記憶している。

・原告の症例に対しては、子宮全摘術が第一選択であり、薬物療法は、 不正出血や生理痛が強い場合に実施するので、あてはまらない。

・原告のここまでの巨大筋腫に対して、逃込み療法としての偽閉経療法を行う事は臨床ではありません。
偽閉経療法の適応はなく、通常の産婦人科医は偽閉経療法を勧める事は無い。

・原告のような3000gを超える筋腫に偽閉経療法を実施して、縮小したとしても、 依然として巨大筋腫のままで、静脈血栓症のリスクを軽減することは出来ない。
膨満感も消失せず、治療としての意味がない。また、原告は、閉経まで2、3年かかると考えるのが通常です。

・原告が子宮の温存を考慮しなければならないような事情については何も述べていなかった。




宮本和尚医師

・11月7日に、簡単な手術ではない事、術創、リスク、合併症、卵巣は切除しない見込みだが、 開腹して切除する場合がある事等の説明をした。



・この説明後、原告が「症状軽減のため、手術する理由あるか」と質問した。

この時に子宮温存希望や、挙児希望は言ってなかった。


・自分の体の状態について自覚がなかった。

・閉経までまだ時間があるので、対症療法としての薬物療法の適応はなく、 根治療法として手術療法が第一選択で、将来的に日常生活に支障を来たし、 静脈血栓症の可能性もあり得ると判断し、子宮全摘出術を勧める。

・手術を勧めるが、納得した時点で手術の実施を決めることを伝え、 手術・検査に関する説明書(同意書)を渡した(11月7日)。


・12月5日に手術するとのことで、渡していた同意書にサインしてもらった。

・付属器の状態については術前の画像診断では明確にわからない事が多く、 私の場合、手術の既往・巨大筋腫の為卵巣嚢腫の同定はさらに難しかった。

・子宮筋腫の所見及び症状からは手術療法以外は考えられず、偽閉経療法を 含めた薬物療法は適応が無いし、そもそも手術希望で紹介を受けている。

・原告から子宮温存希望は聞いてない。その事情の話も聞いていない。


・原告の内心まで忖度して偽閉経療法等の温存療法を繰り返し説明しなかったことに落ち度があるのか。

何故、適応の無い治療を何度も説明しなければならないのか。
今回説明義務違反が認められると、医師に自分の身を守るために、 本来適応と考えられない治療方法の説明を何度も行う事を強いることになり、 本来必要な治療の説明・支障をきたす。医療現場を混乱させるように思う。

・入院中に右付属器切除術を説明しなかったことは、陳謝した。(入院中のイラスト)

※病院側から提出されたこの陳述書では、私が調停の時に提出した宮本医師が書いた入院中と退院後のイラストを出してきましたが、 入院前の「卵巣はおいておく」のイラストは出してきませんでした。
何故でしょうか。都合の悪いことは出さないのでしょうか・・・。



3.尋問:北正人・宮本和尚医師

2018年2月尋問

この頃には、核出術が出来たというだけでなく、摘出された子宮の写真を見て思ったのが、

「外側にできた筋腫を取るだけでも十分可能なのではなかったのか」

という事でした。
弁護士にもその事を訊いてもらうように頼みました。
私は病院で核出の話は全く聞いていなかったからです。
そしてその答えは

「あり得る」

だったのです。

尋問の前に北正人医師は宣誓をされました。
「良心に従って、真実を述べ何事も隠さず、また何事も付け加えない事を誓います。」

北正人医師 (被告代理人質問の答弁)

・巨大筋腫で薬物療法、偽閉経療法を行っても、 その結果で患者の健康を害するような子宮の状態にしかならないだろうというような場合に手術療法を選択します。

・閉経前の巨大筋腫は子宮全摘出が第一選択。

・巨大筋腫に対して、手術を前提とせずに偽閉経療法を実施するという事は一般的には行われていない。

・MRIを説明し、手術の一覧表を説明し、それぞれのメリット、デメリット予想される結果を説明し、 子宮全摘出術が第一選択と説明し、二重丸をつけた。

・原告のほうから、子宮温存希望、子供を作る予定の話はなかった。

・特に手術希望が強かった。

・患者が手術を受ける決心をして、非常にもう既につらい経験もされている方の場合には、

いたずらに手術までの日を長く延ばすのは良くないと思うので、 手術の日程を早く決めて、担当医に紹介する。



(原告代理人から質疑応答)

・子宮の様子を聞いてもらいました。
→北医師
患者の筋腫がどこにあったのかは、記憶はないが、 たくさんの筋腫があったことはわかる、外に何個、中に何個までは分からない。
 

・子宮の外に出来ている筋腫だけを取り除くことはあるのか。

 →北医師

あり得る。


・薬物によって筋腫を小さくしたうえで核出術をすることはあるのか。

 →北医師

一般論ではある。


・原告の場合それはあり得たのか。

 →北医師

巨大、大型、多発性の筋腫で、挙児希望も特に仰っていませんでしたので、 その選択肢はなかった。


・挙児希望、子宮温存の意志が明言されていたら、それはあり得たのか。

 →北医師

あり得た。


・薬物によって筋腫を小さくして核出の場合、開腹でなく腹腔鏡手術もあり得たのか。
→北医師
理屈上はあるが、3,3kgの子宮筋腫を偽閉経療法して核出術をすることは通常はあり得ない。腹腔鏡では。

・その場合は開腹になるのか。
→北医師
そうです。

・先生の方から原告に挙児希望や子宮温存希望の確認はしたのか。
 →北医師

多分確認してます。


・本人は子宮温存の希望は無いと明言したのか。
→北医師

はい。


・原告に関して、リスクを承諾したうえであれば、偽閉経療法を行う事は可能だったか。
 →北医師
それは患者のためにならないと思った。

・患者のためにならないというのは、小さくなったとしても2割から4割、血栓症のリスクが変わらないという事か。
→北医師
はい、それが無くならないという事です。

・筋腫が小さくなれば、血栓症のリスクというのは減少するのか。
→北医師
減少することはあると思います。

裁判官からの質問

・閉経前の年齢は、子宮全摘出術を選ぶにあたってどういうふうに影響するのか。
→北医師
本人の挙児希望という事が少なるという年齢と、医学的、生理学的に子供を産むことが難しくなってくる年齢という事。

・手術希望の患者にも、他の治療法も含めて説明するんですよね。
その場合、手術をやめますという患者さんには薬物療法をすることになるのか。
 →北医師
そうです。


裁判長からの質問

・手術が第一選択肢の場合、本人が手術したくない場合はどうなるのか。
 →北医師

なぜ手術したくないのかお伺いして、それが誤解とか、本人の理解が十分でないという事でしたら、 再度、ご説明して、了解していただけるようにする。
それで、誤解でもなく、十分了解されてて、しかし、自分の選択権として手術は受けたくないという事でしたら、他の治療法をご提案します。


・その治療法はあるのか。
 →北医師
投薬や偽閉経療法をすることは可能だが、それで患者の満足いくような治療法になるかとなると、そうではないと本件に関しては思う。
何度もお話して、了解されるかどうかという事を繰り返していくことになるかと思います。

・医師として飽くまでも手術を勧めるという事か。
→北医師
患者のこの状態を中長期的に見て良くするには、どこかで手術せざるを得ないと思う。

宮本和尚医師(被告代理人質問の答弁)

・手術の内容、合併症、危険性に関して一通り説明した後、「手術することがあるか」と発言した。 最終的には納得したうえで治療を受けてもらいたいので、次の外来で決める形になった。
本人が手術を受けたくないのなら、リスクはあるが本人の意思を尊重して、手術を待たなければならない。

・手術を避けたい理由は特に言ってなかった。手術に関して不安、怖いという事は言っていた。


・手術が安全にできるのか、大丈夫か、卵巣は取らないといけないのか、色々聞かれた。

・しっかりと理解はされてると思いながらも、不安な気持ちがあると感じ、真摯にしっかりと説明した。


・原告に対して、偽閉経療法の適応はないです。
理由の一番は大さで、したとしても劇的に小さくなるとは言えない。
偽閉経療法は、不正性器出血とか大量出血に対しての治療がメインで、腫瘤感に関しては劣る。
閉経まで間があるので適応は厳しい。

・仮に偽閉経療法をしたとしても、剣状突起まである筋腫が劇的に、 例えばへそ下まで小さくてなるという事は考えられない。

・偽閉経療法はリュープリン注射の治療だが、更年期症状が強く出たり、精神的に不安定になったり、 血栓症のリスクがあり、安全な治療とは言えない。

・原告が子宮温存に強い希望を持っている出来事は特になかった。



 

(原告代理人からの質疑応答)

・原告は手術をためらっていたか。
 →宮本医師
ためらうというか、不安であるという印象を持った。
手術するかどうか原告が決めることなので、よく考えるように言って帰した。

・手術希望だったが、後に迷いが出て、どうしようか悩まれる患者というのは先生は経験はないのか。
 →宮本医師
もちろんある。基本的には真摯に説明して、ただ説明したことによって、手術の合併症とか危険性とかで、 不安になり、本来根本である治療とか代替治療に逃げてしまう方もいるが、 今回の場合は、治療方針としては手術が一番適応であり、それ以外の方法は無いという事で説明して、最終的に確認した。

・原告の立場に立つと、子宮全摘の手術をするかしないかの二者択一しかなかったんですね。
 →宮本医師
そもそも北医師の外来で治療方針の選択は聞いていると認識している。

・先生から改めて、別の治療の可能性について説明する事は無かったのか。
 →宮本医師
術前検査も受けていたので、手術を受けるものと認識していた。

・原告の症例に対して、核出術は考えられるか。
→宮本医師
北医師の外来で、妊娠希望が無かったので、全摘を勧めた。

・宮本先生自身の診断として、原告の症例で核出術はあり得たか。
→宮本医師
総合的に言えば、無いと認識している。

・それはなぜか。
→宮本医師
ものが非常に大きいことと、挙児希望が無かった。

・原告の筋腫は外にできる筋腫と内部にできる筋腫とどうであったか。
 →宮本医師
一番はやっぱり筋層内、子宮の中に入り込んでいるものが一番多いと認識している。

・原告が手術しないという選択をしたら、その後の手続きはどうなったか。
→宮本医師
最終的には本人の希望、この病院でのフォローなら、3ヶ月後とかにフォローするし、 川口先生に戻りたいのであれば、そちらで検診。

・具体的にはどういうフォローか。
→宮本医師
経過観察で、治療はしないという事。

・偽閉経療法はあり得ないのか。

→宮本医師
偽閉経療法は原告の子宮の大きさには適応外になるので、 基本的には治療はしない。

・本人がそれを希望した場合はどうか。
→宮本医師
希望があったとしても、安全かつ何を目的とするかというのを踏まえたうえで、 中央市民病院とすれば、手術するかしないかになる。


・原告が手術を希望しなかったら、もう一度北先生のところに戻るという事は無かったのか。
→宮本医師
本人が、最終的には、こちらにお伝えするのか、北先生に言われるのかは、 本人の意見になると思う。以前に子宮筋腫核出術の適応を受けているので、 手術の流れに関して、ある程度認識していると思う。
なので、初診から手術まで2ヶ月あったので、その間に、手術したくないとか聞きたい事があれば、 十分説明を受けに行く時間はあったと思う。

・原告本人が北先生の診察を再度希望すれば、それは出来たという事か。  
→宮本医師
最終的には本人の希望で、こちらから勧めてるわけではない。

・病院内のシステムというか、手続きのことについて尋ねているが、宮本先生が 主治医なのだから、宮本先生が責任を持って、原告の治療について責任を負うのではないか。
→宮本医師
いえいえ、チーム医療でやっているので、部長から手術の目的で、 主治医に振り分けて、説明する。その段階で手術は受けるものと認識しているが、 まずは北先生が、手術に消極的な場合は,北先生の時点でもう一回話し合いがある。
あとは、僕のとこに来た場合も、本人が手術が不安だったら、もう一回場を重ねる、 実際2回話をしている。場合によっては他の先生のところへ行く方もおられる。
決して私が受け入れないと、というわけではございません。

・原告が手術をためらわれた時、先生からすると、意外な感じがしましたよね。
→宮本医師
手術を受けるもんだと認識していましたので、はい。

・その段階で、もう一度北先生に事情を確認するとか、ないしは原告に北先生の診察を受けてもらうという事はあり得ないのか。
 →宮本医師
基本的には自分で、先ほども言いましたように、もう一回場を設けて、 そこで平行線ならば、もちろんそういう話になります。
ただ12月5日の時点で手術を希望されたので、それ以上は、話はなりませんでした。

・しかし先生は二者択一、それは子宮全摘の手術をするかしないかという選択を求めたにすぎませんよね。
→宮本医師
元々の治療方針が子宮全摘なので、その話に関して話を勧めただけの話です。

・術前の説明で、手術の際に指導医がつくという説明はしたか。
→宮本医師
認識はしていない。術後に言った事は覚えている。
術前は言ったかどうか記憶にございません。

※尋問はひどいものでした。

北正人医師は患者に子宮温存希望は無かったと発言、しかし、カルテには何も書かれていません、問診もしていないからです。
もちろん宮本和尚医師も子宮温存の希望は無かったと明言、患者の全摘拒否をカルテに記載しないことが幸いしました。
しかし、ICレコーダーに録音されているのは「希望していなかった」です。
この両医師の発言に真実性があるのでしょうか。
虚偽の発言ではないでしょうか。
特に宮本医師の主張は第3章の再外来と比べていただいたら、よくわかると思います。



またこの尋問で、私が核出術が出来たのではないかという疑問の答えが出ました。
そもそも、北医師は私に問診も無く、全摘と決めつけ、他の治療方法(腹腔鏡・ 核出術・アゴニスト療法の術前投与あるいは閉経前の逃込み療法)の説明は一切ありませんでした。
しかしこの日、北医師から、私が挙児希望、子宮温存の意志を明言していたら、偽閉経療法をして核出術をしたと答えが返ってきました。
私は核出術経験者です。
その話が出ていれば何が何でもして下さいと言っています。
わざわざ地裁の尋問で訊いたのは、その話が無かったため、核出術が出来たのかどうかを知りたかったからです。
アゴニスト療法も術前投与の話が出ていれば、「して下さい」と言っていました。
どれもこれもスルーされました。
それに対して、宮本医師は私に対して核出術は「あり得ない、挙児希望が無かった」です。
二人の医師の差が出ました。
北医師に温存希望を言っていたら核出術をしてくれた。
しかし宮本医師は、妊娠希望が無いと核出術をしない、すなわち私の温存希望を無視したということではないでしょうか。
さらに私に妊娠希望を出させないようにしたという事です。
宮本医師は全摘拒否をした(納得していなかった)私に、北医師に相談することなく、 子宮全摘術を押しつけたのです。
しかも私の「できるんですか」という質問にも答えず、北医師に戻らなかった私が悪いという事です。
私の質問に真摯にしっかりと答えてくれていたら、私も自ら北医師に戻って、宮本医師に言った事を北医師に言っていたのです。
そしたら、結果は違ったはずです。
さらに陳述書では、「原告の内心まで忖度して、適応の無い偽閉経療法等の温存療法を繰り返し説明しなかったことに、 落ち度があるのか。本来適応と考えられない治療方法の説明を何度も行う事は、本来必要な治療の説明・支障をきたす。 医療現場を混乱させる」。
だから「指導医つけた」なのです。
これが宮本和尚医師の本性です。
神戸市立医療センター中央市民病院のチーム医療です。


産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2014



電話相談をしてもらっていた頃、”診療ガイドラインMinds(マインズ)”があるのを新聞記事で知りました。
そしてそこから産婦人科診療ガイドラインを見つけました。
この頃のMindsは人の体のイラストが出ていて、あらゆる部位をなぞるとその部位の病気に関する項目を見る事が出来ました。
しかし、1年後ぐらいでしょうか、久しぶりにMindsを見ると、すっかり様変わりしてしまい、 Mindsから産婦人科診療ガイドラインを見ることは出来なくなっていました。
Minds(マインズ)の作成には京大出身の医師が関わっているような一文が書かれていたように思います。




【産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2014】

CQ215妊孕性温存の希望・必要が無い場合の子宮筋腫の取り扱いは?
―子宮鏡下や膣式の筋腫摘出術だけで対応できる例を除く―
Answer
1.無症状で巨大でない場合には、定期的に経過観察する。

2.過多月経、月経困難症、圧迫症状などの症状を有する場合は、原則、単純子宮全摘術を行う。

3.過多月経の改善のためには、子宮内膜焼灼術、levonorgestrel releasing intrauterine system(LNG-IUS)やエストロゲン・プロゲスチン配合薬などを用いる。

4.閉経直前の年代では、GnRHアゴニスト療法を行う。

5.子宮動脈戦塞栓術を行う。

解説
子宮筋腫の取り扱いは、未婚か既婚か、妊娠・出産可能な年齢か否か、挙児の希望はあるかあるいは不妊症か、 また現時点で妊娠の希望はないが将来は希望するかもしれないなどそれぞれ個別の対応が必要だが、 大きくは妊孕性温存の希望の有無と症状の有無により分別される。
また、近年の晩婚化と少子化に伴う未婚・未産婦の増加により、40代から閉経前後においても子宮温存を希望する場合があるが、 妊孕性温存の希望とは単なる子宮の温存ではなく、挙児の希望の有無とした。 そこで、CQ215は妊孕性温存希望の無い場合とし、CQ216は妊孕性温存希望のある場合とした。 なお、粘膜下子宮筋腫の取り扱いはCQ214で触れているので、 CQ215とCQ216は、主に筋層内筋腫と漿膜下筋腫の取り扱いとなる。
(中略)
4.閉経間近で、血中FSH値が比較的高値であれば、GnRHアゴニスト療法により自然閉経が期待される。
貧血やQOLの改善だけでなく、筋腫の縮小効果による圧迫症状の改善に効果がある。
GnRHアゴニストは6か月間投与可能であり、投与終了後約3か月は無月経となる。
投与終了後も自然閉経とならず、再度症状が出現した場合、副作用等考慮のうえ、 十分な休養期間を開けての再投与は可能である。


CQ216妊孕性温存の希望・必要がある場合の子宮筋腫の取り扱いは?
―子宮鏡下や膣式の筋腫摘出術だけで対応できる症例を除く―

Answer
1.過多月経、月経困難症、圧迫症状、不妊などの症状を有する場合や長径が5~6cmを超えた場合では、 子宮筋腫の部位、大きさ、個数、成長速度、妊娠、分娩の時期も考慮して核出術の要否を決める。

2.無症状で、長径が5~6cm以内のものであれば、定期的に経過観察する。
ただし、数が多いものでは長径が5~6cmを超えたものと同様に対応することもある。

3.無症状で、長径が5~6cm以内のものであっても、他の婦人科手術時に核出術を行う事が出来る。

4.前回妊娠分娩時に子宮筋腫による障害があった場合に核出術を行う。

解説
子宮筋腫が手拳大以上の場合はすべて治療の対象とされていたが、近年では診断法の向上や社会状況の変化によって、 単に大きさだけでなく年齢や症状、さらには患者の希望などによって個別化して治療方法を考えるようになった。 (中略)
1.2.妊孕性温存を目的とする場合は、子宮筋腫が妊娠・分娩にどのような影響を及ぼすかを考えて個々に対応する。
早急な挙児希望が無ければ、希望が出るまでGnRHアゴニストなどの薬物療法を断続的に行い、 子宮筋腫の縮小と症状の軽減を図ることは可能である。 (中略)
核出後の再発は15~30%あるとされ、手術施行に際しては再発の可能性について十分に説明し理解を得ておくことが要である。
高年であれば再発の確率も低い可能性があるものの、年齢が若く多発しているものほど再発率が高い。 (中略)
また、術前のGnRHアゴニストの使用は貧血の改善、筋腫核の縮小効果、 子宮への血流の減少による術中出血の減少が期待されて用いられることが多いが、 子宮筋腫核の残存から術後再発を増加させる因子となる場合もある。 手術の決定に際しては利点と欠点を十分に説明し合意を得る必要がある。



(産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2014より
社団法人日本産婦人科学会 著作権担当の方にお伺いしました。)

訴訟時に資料の一部として提出しました。

内容としては、感染症、腫瘍、内分泌・不妊、女性医学と多岐にわたって、病気の事が書かれています。
参考になさるといいかもしれません。


ちなみに

血栓症(静脈血栓・肺血栓・脳血栓)について

血栓症とは血管の中に血のかたまり(血栓)ができ、血管が詰まって血流障害が起こる病気。
下半身に起きやすく、手術や術後に安静にしていることで血が固まりやすくなり発症します。
血栓はときに血流に乗って移動し、肺・脳・心臓などの血管を詰まらせ、肺梗塞・脳梗塞・ 心臓ショックなどを起こす可能性があります。
経口避妊薬は血栓発症のリスクがある為、手術前4週間・術後2週間は休薬の必要があります。
(地裁 病院側証拠抜粋)

D-ダイマー

D-ダイマーは血栓が形成・溶解されることに関連して生成される物質であり、 身体のどこかで血栓が存在していることを間接的に評価するマーカーとなります。
血液検査でD-ダイマーを測定します。


FSH

卵胞刺激ホルモン 更年期になり、卵巣の働きが鈍ってくるとエストラジオールを作る能力が衰えてくる為、 脳はそれを感知してFSHの分泌を盛んに行います。よって更年期になると血中FSH濃度は上昇します。
これで閉経かどうかわかります。

ご参考までに・・・