良性疾患で、ストマーになるような手術にならんように、逃げます。
第4章セカンドオピニオン 阪大病院
最初に北医師や、宮本医師とのやり取りを簡単に話しました。
MRIの卵巣以外にも、手術後の傷の痛みや腸閉塞後の胃のレントゲン検査は受けてもいいのかをお伺いしました。
(MRIの卵巣について)
DR:ここで見る限りはうーん、ひょっとしたらね、ここにちょっと白っぽいとこあるんですけども、これお水たまりなのか、 血だまりなのかうーんこれに対するT1これT2これに対応するT,T1がどれなんかな、 今の、今の白いところってのはお水か血液なんですね。もうやっぱり、筋腫が骨盤腔内を全部満たしているようなやつやから、やっぱりわからへんですね。
筋腫がもう完全に小骨盤腔内を満たしているので、 ちょっとこれで、病変がどれやというのはなかなか難しいんじゃないかなーと思います。
それで、あっこれがT1はやね。
T2は水もあのー、血液もあのー高信号で写りますから、T1じゃない、T1で高信号だと、今度はそれは脂か血液いう事なんですね。
そうなるとまぁ、二つの画像の比較で考えるんですけど、T1、T1では白いとこないですね。
泣蜂:T1で白いとこない。
DR:ないねぇー、だからまぁ、ここは逆に水っぽいところがあっただけなんかもしれんねぇー、だから他のところになるとちょっとこれわからないですね。
術前でMRIでそのこの出血、血液が溜まった、それも比較的古い血液が溜まった嚢胞をはっきりとこれやいうてはちょっと言えんかなー。
泣蜂:うん、言えないわりには7月に行ったら、これだけ腫れてたんですとかって。
DR:うん、だからまぁ見てみるとだからそれはもうお腹開けて初めてわかる事って、こんだけ画像診断発達しててもいっぱいありますからね。
(右の卵巣の核出について)
DR:必要な臓器を気軽にとっちゃあいかんっていうのは、原則なんです。
泣蜂:じゃあ、時間かかるけれども、良いところは、良い部分もあるわけですね。
DR:あると思いますけれども、だたね、これがもしも、チョコレート嚢胞やったとしたら。
だいたい、チョコレート嚢胞のえー、嚢腫ので、核出を行って、腹腔鏡でやってのデータですけども、 嚢胞だけをとった時に5年後にだいたい半分ぐらいのチョコレート嚢胞また出てきます。
ホルモン療法とかしなかったらね。
泣蜂:例えば私が最初に、あのー、悪いですよとかっていうふうに聞かされてたら、あのーここだけ、じゃあそれとって下さいというような事はできたんでしょうか。
DR:たぶん、ごめんなさいって、言って全部とりはった方が良いと思います言うて。
常識的なことを考えて。あなたの自己決定権という意味では、最後はしゃあないね、ほんなら、まぁ好きにし言うて。
医学的な妥当な判断としては。とるのが妥当やと思います。
泣蜂:とるのが良いんですけどね、もし、悪いところだけとろうとしたら、私が希望をあくまでもしたら、それは出来ない事もなかったという事ですか。
DR:うん、まぁそりゃ手技的にも出来たでしょうね。
泣蜂:あのーあれですか、わたしそのーMRIでその癒着がひどかったとかそういう感覚はあのーわかるんでしょうか。
DR:画像診断でわからないものが二つあります。一つは炎症。
泣蜂:炎症。
DR:もう一つは癒着です。
泣蜂:炎症と癒着はわからない。
DR:わかりません。
泣蜂:炎症と癒着はわからない。
(卵管の摘出について)
泣蜂:で、あれですか。これやっぱり卵管も一緒に取らないといけない。DR:むしろ最近は卵巣を残す側でも卵管もとっちゃう事の方が多いです。
泣蜂:おー、左の卵巣はなんか傍卵巣嚢腫とかってなってたんですけど、えーとそれはまぁ取ってるみたいなんです。で、右の卵管は所見なしとかってあって、でも、摘出してるんですよね。これはやっぱりそういうふうにしないといけない。
DR:あのーこれは、本当にそれが正しいかどうかわかりません。ただ、あのー最近のセオリーで卵管細っていう卵管の一番端っこのところから、卵巣癌とか腹膜癌とかそういったものが、のほとんどがそういったところからでるんだと。
泣蜂:卵巣癌。
DR:卵巣癌とか腹膜癌とかそういうものはだから、卵巣とっても、卵巣癌みたいな癌できるんですね。
泣蜂:あっ、そうなんですか。卵巣とっても。
DR:はい。で、そういうような時の発生源がこういう卵管細とか卵管の一番端っこのところがね、発生源であるというような説があって、そういう説をあのー取り入れている先生は卵巣残しても卵管だけ取ろうと、子宮取る時にはね、いうふうに考えていらっしゃる先生方もたくさんおられます。
泣蜂:卵管だけでもね。
DR:卵巣は取らないで。
泣蜂:卵巣は取らないで、卵管だけ取る。
DR:うん。
泣蜂:じゃあ、別に卵巣が悪ければ卵管に異常が無くても取ってしまう。
DR:むしろ、卵管だけを残す手術をする先生を私は聞いたことはありません。はい。
(閉経後の子宮筋腫について)
DR:閉経まで待ってたら、この筋腫の重さが半分近くまで減る人がいます。DR:10cmのものが8cmになれば縦横高さ10cmのものの重さは10×10×10で例えば比重が1だったら、1000gですよね。
縦横高さ8cmやったら、8×8、64の6、8、48やから500gです。
(インフォームドコンセントについて)
泣蜂:あっ、そうですか。ちなみに最初に言われたチクチクする痛みは傷の腸の引き攣れなんでしょうか。DR:どんな時に痛いんですか。その後ガスが出たり、ぐるぐると腹鳴があったりしますか。
泣蜂:別にないですけど。
DR:そんなら腸とあんまり関係ないかもしれない。まぁ手術して切った後で、引き攣れて痛いとか、そういう感じを仰る方はやっぱりいらっしゃるんですね。で、どうしてもそれは。
泣蜂:まぁこれは気にする事もないし、いつまで続くっていう。まだ何年間も続くものなんですか。
DR:うーんこれは、私はよくまぁ、もう諦めて下さいって。
積極的に通常動いていただいているうちに、あんまり仰らなくなる事ほとんどですね。
私は子宮筋腫の患者さん、基本的には手術して1回来てもらうだけで、後はもう元の先生のところに帰ってもらってます。
ですから筋腫の手術の後あんまり長く診てないですが、癌の方で傷の痛みを仰る方がいらっしゃるんです。
癌は5年間お付き合いして、見さして頂いていますので、その時に大概2,3年したらだんだん仰らなくなってきますね。
それは私らもひつこく、しゃーないって言ってるからやと思います。
で、それにこだわって、医療、特に手術っていうのは私の考え方、男性に対しても女性に対してもそうなんですけども、 うーんと前より悪くなってもらうような手術はあんまりしたらいかんやろうなと思ってます。
寝たきりの人作ったり、あることを不安に思ってずっと拘るような形での手術を、あのーそういう方を作るために手術をしてるわけじゃなくて、 やっぱり前より元気になってもらう為に手術をしているんやという言い方は良くしています。
DR:ただ、まぁ大学病院はだいたいね、大学病院っていうのはわりに公式の場所なんで、インフォームドコンセントとかそんなんも、 かなりきっちりというか、他の病院に比べてやっぱり時間とってますので。
(人工肛門について)
DR:ただ子宮筋腫の人にストマーっていう言葉を使う事は無いですね、うん。卵巣癌の人には一応、どんな人でもストマーされる可能性は言ってます。 卵巣癌は全然病気違いますし、取りきれないということは非常に不利益になりますので。
泣蜂:なる確率が高い。
DR:うん、うちの病院では、ストマーになることは滅多にないです。
ただうちの病院で卵巣癌やったら腸を切っている、あのーS字結腸って腸の一番下の部分を、一緒に取ってる率はだいたい3割ぐらいなんです。
そしたらやっぱりそれ、昔は10回繋いだら1回漏れるって言われとったんですね。
今もっと漏れる確率減りましたけど、やっぱり繋いだら、繋ぎめが漏れる事があって、その時は人工肛門にならざるを得ません。
ただまぁ子宮筋腫の時はやっぱり元々が良性疾患なので、ストマーになるような手術にならんように、どっかで折り合い、逃げます。
だからそれが今回の膣上部切断術、子宮頸部を残す手術やったと思います。
DR:3時間かかって、子宮摘出で3時間で、まぁ1000cc近くの出血があるから、大変やったと思いますよ。
まぁちょっと普通ではないんですよね。
いろんなその言葉の行き違いがどうやったかという事に関しては、私はちょっとなかなか評論は出来ないけど。
(内診の意味)
DR:何故かというと、画像診断で癒着わかりません。一番癒着を推測ができるのは内診だからです。泣蜂:癒着は内診で。
DR:わかる、でもこれだけでかいともうわかんないけどね、これだけでかいと多分わかんないと思うから。
泣蜂:内診でわかるけど、これだけ大きいとその内診の意味もない。
DR:うん。
泣蜂:内診の意味もない、これだけ大きいと。
DR:どうでしょう、私はします。
泣蜂:あっ、します、うん、するのはするけれども、あのそのだから、この、この辺ぐらいしか、下の方しかわからないんですよね。
DR:手術の方針を決めるうえで、あなたのこの筋腫を見た時に、内診を嫌がるっていうか、内診をさしてくれなかったら僕は手術を断ったかもしれません。
泣蜂:断る。
DR:うん、それは患者さんとの信頼関係をあまりつかめないという事と、私なりに知りたい情報が内診であるからです。
泣蜂:うーん。一応診るのは診る、この辺を診るという事ですよね。
DR:あのー子宮頸部の、子宮頸部の取りやすさを診るのに、内診非常に有効なんです。
あのー膣上部切断術って仰いましたよね。
だから、子宮頸部がとりにくいかどうかという事の予測をある程度つけるうえでは内診っていうのはわりに私個人的には良い方法だと思っています。
したがって、この筋腫で内診をさしてくれない患者さんっていうのは、やはり相当ちょっとこれは困った人だなーと思って、 私はもうちょっと手術をあのーもうどっか信頼関係結べないんやったら、どっか信頼してもらえるとこ行って下さいって言うかもしれません。
ただ、大学いうのは、なかなかね、そういう事言いにくいとこなんです。
大学は最後のとこやからね、皆さんいろんな事言われて、来るとこやからね、だから大概大学まで来る人は、私はもう説得して、内診さしてもらってます。
泣蜂:ふーん。
(腸閉塞後の胃のレントゲンは?)
泣蜂:私ね、腸閉塞起こしてるんですね、手術の直後に、胃のレントゲン検査が会社に勤めてた時、あったんですけど、腸閉塞起こした人。DR:まぁ、バリウムよりは胃カメラの方が今精度が良いですから。
要は胃がんの検診の事ですよね、仰ってるのは。
泣蜂:うん、そうです。
DR:それだったら、今胃カメラの方が精度が高いという話がだんだん出つつありますから、それも含めて、胃のあのーいわゆるバリウム飲むバリウムスタイルはまぁしなくてもいいと思います。
泣蜂:もし、会社で健康診断が胃のレントゲンですとかって。
DR:そしたらそこはスキップして。うん、まぁスキップされた方が無難だとは思います。
別に腸閉塞で今普通に食べれているんだったら、別に流れますけど。
大丈夫やろうけどね、あのーどっちがいいか言ったら、もう胃カメラの方が良いです、はい。
【要約】
・MRIで右の卵巣はチョコレート嚢腫とは言えない。
・取られた右の卵巣は核出術もできたが、5年後には再発の可能性がある。
・インフォームドコンセントとか、かなりきっちりというか、時間とってます。
・良性疾患でストマーになる事は無い。