神戸市立医療センター中央市民病院・開腹子宮全摘手術の真実

セカンドオピニオンの重要性 良い治療を納得して受けるために

晩婚化・晩産化で増える超高齢出産 海外での卵子提供

第4章 増える超高齢出産


N先生(元N産婦人科) 

漢方の煎じ薬をもらっていた先生にお話を聞いてもらいました。



子宮筋腫・内膜症・体験者の会たんぽぽの電話相談


・「子宮の手術で、入院してからでも、手術の直前でも、嫌だと思ったら、帰ってきて下さい」
我々は会員さんにそのようにアドバイスしています。

・会員さんの中には子宮筋腫の手術において、「お腹を開けて全摘しか出来ないようだったら、何もしないで閉じてください」
そのように医師に言い切った会員さんもいます。

・閉経前はホルモン量も少ないので、そんなに大きくなるわけではない。

・20代、30代から子宮卵巣取るわけにはいかない。

・婦人科でピルを出すときには必ず血液検査をする。内科で風邪薬を出すようなわけにはいかない。

・腕に自信のある医師が、全摘で時間かからないから、手術に対するリスク少ないから、わざわざ副作用の出るリュープリンをするかしないかは医師の判断。

・全摘なら通常1時間ぐらいです、かかっても2時間ぐらいです、3時間はかかりすぎ、何かあったんでしょうか。

・核出術において2度目だから、大きいからできないという事はありません。

・核出の時、アゴニスト療法をすると、筋腫が硬くしまって、コロッととれて出血を起こさない状態になる。

・12cmの筋腫を剥離するのと10cmの筋腫を剥離するのとでは臓器に対しての2cmは差が大きいです。

・子宮は動脈が大きく通っているので、血液量が非常に多い臓器です。核出術は出血量が多くなります。

・妊娠したいのなら核出術をしないといけない、多発性ならいろいろなこぶを刳り抜き、それを縫って成形して、子宮をきちんとした形に戻さないといけない。

・全摘は出血量、他の臓器との癒着を剥離するのに時間がかかるので、そういう事を考えてリュープリンをしてからという事になります。
あなたの多発性がいろいろな臓器と癒着していれば、剥離しなければならない。
すると剥離にかかる時間とか、いろいろ総合的に考えると、リュープリンなどをうって、子宮筋腫を小さくしてからというのが医師の判断になる。
それは、医師は患者の体にかかる負担、術後とか、自分がこれからやろうとする手術に対するリスクとか、これ自分のリスクイコール患者のリスクなんです。
必ずしもリュープリンとは限らない、小さくするのはホルモン療法あるから、ただリュープリンは即効性がある。

・腹腔鏡だと、全摘よりも、出来ている場所にもよるが、核出の方が簡単。

・患者の手術に対するリスクを最小限に抑えるのが当たり前の考え方。

・核出ではリスクは取らない、一番大きいのを取って、次に大腸と癒着しているものを剥離して、 大腸を傷つける危険性がある時は、医師は当然その筋腫を残す。
手術をすることによってそこから先の患者に与えるデメリットを考えれば残すという事もある。

・取る位置によって他の臓器傷つける危険性があるとか、取ったことによってさらに出血が増えるような時、 動脈が通っている大きい筋腫があったら、剥離するのは難しいから、動脈切ってしまうから、残して、あとはホルモン療法していくと考えます。

・子宮筋腫が大きいと、子宮全体が大きいと開腹で周りの臓器と剥離していくから、 全摘が安全と言う訳では無い。

・どの病院でも、どの医師でも安全にできるのが開腹です。帝王切開だろうと子宮筋腫だろうと、子宮癌だろうと、どの医師もある一定のレベルの技量をもってできる、

・9cmや4cmぐらいのものが3,4個あって、腹腔鏡で核出術して、全部取りきれず、残った筋腫に対して、アゴニスト療法をするかどうかは医師の判断。
手術を受ける前に医師に手術の執刀がいくつぐらいあるのか確認した。

・アゴニスト療法の術前投与でお腹が小さくなって、患者が手術嫌と言ったら、医者はそれを良しとしないかもしれないが、 どうしてもという事なら、ホルモン療法する、それなりのリスクはあるが。


以上がたんぽぽで聞いた話を抜粋したものです。 (あくまでも私の質問に対して教えて頂いたことです)
たんぽぽの相談員は医療従事者ではありませんが、病気の事に関してよく勉強されています。
東大病院の先生を招いて話を聞いたり、手術のビデオを見たり、MRIもある程度わかるとの事です。

また会員同士のおしゃべり会で、私が今回の治療について話した後、他の会員さんからこんな発言がありました。
その方は40代半ばの既婚者、未産婦、私よりも子宮筋腫は小さなものでした。
「不妊治療をしていたが、あきらめて、筋腫の治療に切り替えた。
知り合いから、いい病院があると聞いて行ったら、初診でいきなり手術の話をされて、具体的に傷の説明とかされて、今日手術の予約を取って帰って下さいと言われた。
あんまりすぐに手術、手術と言ってきたので、気持ち悪くて、予約しないで帰った。
あとから聞いたら、その医師は京大出身だった。」
これが患者の生の声です。
(この話のポイントは"不妊治療をあきらめた"です。不妊治療をあきらめた=妊娠希望なし=子宮温存の必要なしです。
さらに手術予約をすぐとるという事はアゴニスト療法をしないで開腹全摘手術をしようとしたのでしょう。
私と同じパターンです。
ただこの患者さんは私より筋腫が小さかった為、余裕があり、断わることができたのでしょう。)
また、この方が私と同じ事を仰ってました。
「不妊治療をあきらめて、筋腫治療で外来で待つ時、お腹の大きい人と並ぶのはつらかった」と・・・。

その一方で他の方がこんな事を仰っていました。
「腹腔鏡手術を受けた。術前は術後の癒着による腹痛とか心配だったけど、そういう事もなく、手術したことすら忘れてしまっている。 お腹の小さい傷を見た時だけ、手術したんだなと思うだけ。」
でした。
私はこの言葉に愕然としました。納得して、いい治療を受けた人とここまで違うという事を・・・。

このように書くと、京大出身の医師が皆そうなのかというふうに聞こえるかもしれません。
公平を期するために言うと、決してそういう訳ではありません。
京大系列の病院でも、温存を謳っている病院があるのも事実です。
だからこそ、敢えて、病院名、医師名を出す必要があると感じました。

※たんぽぽでいろいろ教えてもらった結果、中央市民病院でもらった摘出した子宮卵巣の写真を見て、 子宮の周りにある、大きい筋腫を核出して子宮を残すことは出来たと確信するようになりました。

増える「超高齢出産」


新聞でこんな記事を見つけました。

「40代後半や50代になり『超高齢出産』をする女性が増えている。 若い女性から卵子をもらう場合が多い。 国内のルールづくりが進まぬ水面下で、現実が先行する。 『閉経後に出産する人もたくさんいる。 初めて診た時ときはびっくりしたが、もう慣れた』。都内の産婦人科医はこう明かす。 一般的に高齢になるほど妊娠は難しくなる。閉経すれば基本的には妊娠はしない。 閉経するような年齢で妊娠が可能な理由の一つに、人の卵子を自分の夫などの精子と受精させて体に戻す『卵子提供』という仕組みがある。

49歳で出産

ある女性は43歳で結婚、不妊治療を経て卵子提供で49歳で出産した。
『夫にそっくりで宝物。100%我が子の意識』だという。別の女性は41歳で1人目を自然妊娠で出産、46歳の時に2人目を卵子提供で出産した。 1人目と同じように愛している。日々の成長がうれしい」と慈しむ。
日本では卵子提供を規制する法律はない。ただ、多くの医療機関は慎重で、ほとんどの人が海外で卵子提供を受け、日本に戻り出産している。
(中略)
今の40代~50代は1986年の男女雇用機会均等法の施行前後に社会に出た。
『仕事との両立が難しく、最近まで結婚や出産の機会に恵まれなかった人が多い』と川田社長は話す。 49歳で出産した女性は『子育てしながら男性と仕事で競うのは不可能だった』と振り返る。 (略)

謝礼金目的も

子どもを望む女性たちが切実な思いを抱える一方で、 卵子を提供をする若い女性たちは経済的な事情が背中を押す『「ハワイで卵子提供、謝礼金あり』。 (略)」
「2017年(平成29年)2月19日(日曜日)付 日本経済新聞」

といったものでした。
ちょうど私と同年代の人の話です。
だから私は、あの時、宮本和尚医師に全摘拒否・子宮温存希望を言ったのです。
おいといてさえもらえれば、何とかならないかという思いで。
「全摘は嫌です。子宮は少しでもおいといてください・・・。」
しかし、宮本和尚医師には届かず、かつカルテに記載もされませんでした・・・。



超巨大筋腫からの出産


この頃パソコンでいろいろ検索をして、目に入ったのが”超巨大筋腫からの出産”でした。


「はじめまして。41歳、一児の母です。

元々、30歳の時に拳ほどの筋腫が見つかり、取るには大きすぎる為、子宮全摘だと診断され妊娠は諦めてました。 が、私生活に支障はなかったので、手術も受けず放置してましたが、41歳になって突然の妊娠!正直、高齢だし筋腫もあるので迷いました。
が、始まったばかりの出生前診断で異常がなければ....と、決断をし、帝王切開での出産をしました。胎児と共に、筋腫も巨大化し、 お腹ははち切れんばかりに大きくなり、肋骨も広がったり、何より栄養をとらなければならないのに、食事をすると呼吸が苦しく、 常に片手に酸素を持ち、二ヶ月ほど入退院の繰返し。
(中略)
そして、主治医から体の限界と言われ、帝王切開での出産に!
まず赤ちゃんを取り出しましたが、その瞬間呼吸がス~っと楽になったのを今でも覚えてます。それから全身麻酔して、 取れた筋腫がなんと30㎝!子宮と合わせて37㎝で重さ6㎏まで成長していたそうで....しばらく病院内で噂の女になってました
(中略)
2050㌘で産まれた子も、今では6ヶ月で7700㌘まで成長してくれてます。本当に大変な出産でしたが、 子供の生命力に感謝です( ;∀;)子宮は取りましたが、今は全く後悔してません。」

何年も前の為、何処で見つけたのかわかりません・・・。

これを見て思ったのが、「私は何が何でも子宮を取られないといけなかったのだろうか・・・」でした・・・。

この話をN先生に伝えたところ、「あり得ない話じゃない。筋腫の場所によっては赤ちゃんはちゃんと育つ。だがこれはゴールデンコースだ。」
と言われました。

子育ての環境:今と昔

結局、私は子育てを経験することなく終わりましたが、昔、私より年上の女性から聞いた言葉が、
「私たちは、ベビーカーで電車に乗るのも、周りに気を使って、すみません、すみませんを繰り返しながら、乗っていた」でした。
他にも、子供の頃に、駅のホームのベンチに座って、授乳しているお母さんがいらっしゃたのも、記憶の中に残っています。
20年程前に新聞で見たのが、「赤ちゃん連れの外国人の夫婦が満員の電車に乗って来て、満員電車の中で赤ちゃんが泣きだし、 そのご夫婦は周囲の人に気づかって、すみません、すみませんと謝っていたという光景に、周りへの配慮が素晴らしい」と称賛していたものでした。
今や、子育ての環境は整いました。
電車の中でも、ママ友2,3人でベビーカーで楽しそうに乗っているのを見かけます。
授乳室も有る所にはあります。  
赤ちゃんの泣き声は「泣いてもいいよ!」になりました。                
産休・育休・時短・保育園、まだまだかもしれませんが、私までの世代にはさほどなかったものばかりです。

私の世代は、バブルの頃、女性初の総合職やキャリアアップ等の甘い言葉に載せられ、結婚や出産のチャンスを逸しました。
私世代の先輩は「結婚退職」が当たり前でした。
2000年に入ると、結婚退職の率は下がりました。
それと同時に大卒女子や短大卒の女子採用は大幅カット。
就職氷河期やリストラのあらしが吹き荒れました。
震災も幾度がありました。
良い事ばかりではありません。
時代の移り変わりは激しいです。
しかしそんな中で、産婦人科医の意識はさほど変わっていなかったようです。