教授曰く「患者さんに説明して手術をしていたかと言われると半々以上の確率でしてない」
第4章セカンドオピニオン 近大病院
宮本医師から、MRIでチョコレート嚢腫と言われた卵巣が、最初から分からないものなのか、
説明はどうあるべきなのか、組織診断票の結果の事等を訊く為にセカンドオピニオンに行きました。
(もちろんこの時点では、宮本和尚医師が言ったとおり、MRIの卵巣はチョコレート嚢腫と信じていました。)
DR:(MRIで)これをチョコレート嚢腫やと手術前にはっきり断定するのは難しいんじゃないかと思います。
(組織診断で“内膜の確認ができないのは”?・チョコと出血性黄体嚢胞の区別は?)
DR:チョコレート嚢胞の古いやつになった場合は、その内膜っていうのが委縮して剥がれおちてなくなるのはよくあるんです。内膜が確認できる場合もあるんですけど、確認出来ない場合も結構たくさんありますので、 あのーなかったから内膜症ではないというのは我々も言わないです。
やっぱり手術中に見てその中にチョコレート色のものが溜まっているかどうかっていうのが一番大きな診断になりますので。
手術前のMRIよりも手術後のこの病理よりも手術中に見てそこの中に明らかに古い血液ですよね、 黄体嚢胞だったら当然その時に出血しているわけで、真っ赤だったりちょっと黒っぽくなっててもわりと新しい血液で、 だいたい見たらわかりますので。
内膜症の場合はさらにそれより前に何回も出血していると思いますので古い血液、 やっぱりチョコレート色した真っ黒な血液の事がほとんどなんです。
なのであのー見たらその時手術中または手術後にとったものを見た肉眼的な所見っていうのが一番あてになると思いますので。
DR:あのー、その時にいろんなやり方というかその判断があると思うんですけど、 例えばそのーものすごく癒着が激しくてですね、まわりにチョコレート嚢腫らしいものがあれば、 これはチョコレート嚢腫だろうというふうに判断する場合もあるんですけど。
ただ通常僕らがよくやるのはとる前に、ちょっとだけ穴をあけてみます。 で、中からチョコレート色のものが出てくれば、あーこれはチョコレート嚢腫だねという事であのーとっちゃうことが多いですので。
あのー完全に逆に破らずにとるのは多分難しいと思うので、 手術中にまず確実に中身が出ていると思いますので、僕らもそうですけど。泣蜂:ネットで見たらね、とったら出血性黄体嚢胞でしたとかっていうようなね、そういう経験とかも出てくるんですね。
色も血清から透明なものまで黄体嚢胞いろいろありますとかっていうような事も載ってるんです。
神戸市医師会の産婦人科の副会長の先生に訊いたら、黄体嚢胞の血液の色どんな色ですかって訊いたら、 「どす黒い」とかって言われたんですね。
もう、いろんな意見がありまして。
DR:出血性黄体嚢胞であれば言われるように透明なこともありますけどね。 黄体っていうぐらいだから黄色い色をしているので、だからもうそれは手術中に恐らく判断がついていると思います。そこを間違ってとっちゃうっていう事はまずないと思います。
真っ黒なチョコレートの色をした黄体嚢胞っていうのは見たことがないからそれは違うと思います。 あのー僕らもそれを言われたら、今までもうそれこそ黄体嚢胞をチョコレート嚢胞だと思ってとっていたことになっちゃいますので。
基本的にはこうやって見て、でまぁ多少黒いとはもちろんご存知だろうけど生理の血でも黒くなることありますよね。
生理の血でそんな事ない、真っ赤ですいつも、生理の血の色、あれぐらいまでだったら黄体嚢胞っていう事あると思うんです。
あのフレッシュな血液ですよね、チョコレート嚢胞っていうのは、チョコレートとそっくりな色してるんですよ。
で、黄体嚢胞であんな色をした中身がある事はないと僕は思うので。
そういう色のものが出てきたら、それはもうチョコレート嚢胞だというふうに僕も判断しますし、それでとらざるを得ないですので。
今の写真を見るとそういうふうに見えるんですけどね、チョコレート色しているように見えますが、はい。
なのでそうだったんじゃないかと思いますけどね。
そこは本当に分からないです。
あのー僕自身がこうお腹の中こうやって診たわけではないので、分からないんだけど、
これがないというのはしょっちゅうありますので、これがないからチョコレート嚢胞じゃないという事は全然ないと思いますよ。
(MRIの卵巣は?説明は?)
泣蜂:えーとですね、それじゃあMRIで見る限りはチョコレート嚢腫とはわからない。DR:はっきりとわからないですね。
泣蜂:いろいろ。白いですよね、でも。
DR:白いのはあのーあのー卵巣がちょっと腫れてることは確かなんですけど。
泣蜂:腫れてるんですよね。
DR:白いんですけど、これそれこそ黄体嚢胞でもこういうふうに見えます。
ので、これを見ただけでこれが黄体嚢胞かチョコレート嚢胞かっていう事を確実に話すのは多分無理だと思います。
黄体嚢胞っていうのは正常なうちの一つ、手術しないといけないものではないですので、なので、えーとそれのもう判断で4cmぐらいと言ったら、 黄体嚢胞というのは十分にしょっちゅうありますので。
これだけ見るとえーと完全にこれが異常だというのは手術前には無理だと思います。 典型的にチョコレートみたいな可能性っていうのは、見え方ではないですよ、
泣蜂:でも、それは、説明はしなくてもいいものなんですか。
DR:いや、それはわからないです。それはしといた方がいいと思うんですけど。
泣蜂:そうですよね。
DR:これだけ大きな筋腫の、筋腫の方が本当に大きいんですよ、 僕診てびっくりするぐらい大きいんですよ、僕もあんまりこのぐらい大きな筋腫の方あのー手術させて頂くの珍しいぐらい大きいんです。 この筋腫を見ちゃうとやっぱり筋腫の説明しちゃうと思うんです。 あのー多分卵巣嚢腫のこの部分がちょっと思ったよりちょっと腫れてるかもしれませんねっていうぐらいは言うかもしれないですけど。
泣蜂:ですよね、取り敢えずこんな絵(術前の“卵巣はおいておく”のイラスト)が描けるものなのかなって思うんですよね。
DR:それは患者さんと主治医の先生とのお互いのやり取りなので、それは。
泣蜂:この絵を描いてきたものですからね。
DR:僕だったらどうかとか、それは言うべきだとかいうのは、ちょっと申し訳ないけどあのー難しい。
泣蜂:でもでも言うべき、症状の一つとしてはね言わないと、7月17日訊きに行ったらね、 これだけ腫れてるからね取らないといけないんですよって言う事はね、見て分かるわけですよね。
DR:そのー何度も言いますけど、僕は多分これを見た時にこれが病気というふうに診断してないと思いますので、何も説明してないと思う、多分。
まぁ、わかんないですけど。
泣蜂:さっき先生も、でもしてるかも、
DR:言わなかったですよ。
あのー異常か正常かギリギリのところだと思うので、これが黄体嚢胞みたいなんが、黄体嚢胞っていってもいろいろ機能性嚢胞とも僕は言うんですけど黄体性嚢胞のこともあれば、 卵胞のこともありますよね。あとまぁ、封入体嚢胞とか言い方をするものもあるんですけど、 それは単に液体が卵巣の部分がべちゃっとくっついてそのまわりに水みたいなものが溜まるものもある、これもよくあるんです。
泣蜂:灰色とかって言ってたんで、今それ白く見えてますよねって言ったら、それでもチョコレートかふつうの出血の黄体かわからないとかっていうふうに仰ってて。 わからないっていう事も、私は説明としては聞いてない訳なんですよね。
DR:はぁはぁ、なるほどなるほど。それは宮本先生と相談して下さい。
僕は、ただあのー肩を持つわけじゃなくて、僕でも恐らく半々ぐらいの確率で卵巣に関しては説明していないと思います、これぐらいだと。
泣蜂:そうですか、なんかさっき言ってるかもしれないとかって、さっき。
DR:言っているかもしれない、言ってるかもしれないけど、たまたまそのーちょっと腫れてるかもしれませんねっていうのは言っているかもしれないですけど、 あのー全くスルーしてるかもしれません。
DR:そこはちょっと本当に宮本先生との間でのご説明なので、先生それぞれによって説明する範囲がどのぐらいかっていうのは違うと思いますし。
あのー手術前のMRIでわかるっていうことも、それぞれ違うと思いますので。
泣蜂:それぞれ違いますか先生によって。
DR:はい、あのー違うっていう言い方はないな。
あのーどこまで説明するかっていうのは違うと思いますよ、恐らく。
僕は少なくともそんな詳しいことまでは申し訳ないですけど、説明してないです。
泣蜂:えーそうですか。
DR:はい、はい。
DR:だからどこまで説明するかですよね。
そのーあいまいなものの説明をして、その患者さん患者さんによって聞きたいことはそれぞれ仰る事は違うので、 なんて言うの、灰色のことであってもやっぱり可能性をすごくきちっと説明して手術をしてほしいと言われる方もおられますし。
まぁその辺はもう先生にお任せをするから、私は手術をしないといけないまぁ一番大事なことだけをきちんと教えてもらえばいいって言われる方もおられるんで。
それはまぁあのー患者さんの側にもよると思いますので。
あのーどこまで説明するという、いけないという義務というか、基準があるかと言われると、 それはあのー例えば先ほどの何べんも言いますけど、先程のように僕は患者さんに説明して手術をしていたかと言われると半々以上の確率でしてないと思います。
泣蜂:そうですか。
DR:はい。スルーしている可能性が高いと思います。
大きさもそんなに大きなものではないので、まぁ後から言われると確かに腫れてるなぁという、腫れ、ちょっと大きいなと思うんですけど、2cmから3cmでしょ。
本当にもう何べんも言うけど僕だったら多分スルーしていると思います。
泣蜂:そうですか、いやー最初なんか症状の一つとしては説明するかもしれないっていうふうにね仰ってたんでね。
(難しい手術という説明)
泣蜂:難しいとか、稀とかっていうのはやっぱり最初に仰いますか、普通。
DR:言います。
泣蜂:言いますよね。
DR:はいはい、難しい場合は難しいって言う事が多いです。
泣蜂:難しいとか稀とかね、あのね。
DR:うーん、稀まあ稀は稀でしょね、難しいでしょうね。
泣蜂:私ね、それすらね、最初に聞いてないんです。
そんなん普通最初に言ってくれますよね、難しいとか。
DR:うーん、まあー難しい可能性が高いです、と言う方が多い。