神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科の真実

セカンドオピニオンの重要性 良い治療を納得して受けるために

北正人医師 3時間待ち3分診療の実態

第2章 巨大子宮筋腫開腹全摘手術 北医師外来


北正人医師は3時間待ちの3分間診療で、妊娠希望のあった未婚未産婦の患者に問診もせず、 開腹全摘と決め、腹腔鏡の認定医・審査委員でありながら、アゴニスト療法・腹腔鏡の説明もしませんでした。
私の話は何も聞いてもらえず、診察室を追い出されました。


この会話の記録は私の記憶とメモしたものから書き起こしました。
外来ではたいした説明は無かったので、記憶に残っていました。
調停にも今回の治療の記録・イラスト等を提出しました。

この病院なら間違いない、治療方法をきちんと説明してくれるであろうと信頼してかかりました。
そして他にも、この病院を選んだ"私なりの理由"がありました。
(詳細は第3章再外来6をご覧ください)

2013年4月に開業医にかかり、5月にMRIを撮影、大きいがゆえに散々手術、手術と勧められました。
しかし私は1度手術を経験しています。
なるべくなら手術はしたくないし、子宮がなくなるのは嫌だと思っていました。
しかし、このままでは大きくなるばかりで、開業医ではらちが明かないと思い、 それなら私は神戸で一番大きい神戸市立医療センター中央市民病院に行って、 いい治療方法がないか訊いてみようと思い、紹介状を書いてもらいました。
私は内診が嫌だったので、「女医さんがいい」と言いましたが、 開業医からは「北部長に行って下さい」と指名されました。
開業医に「どこの病院がいいのか」と訊いてみましたが、「何処でも一緒よ」と言われました。
そして紹介状を書いてもらいましたが、私はその紹介状がどのように書かれているかは知りませんでした。


北正人医師3時間待ちの3分間診療、問診も無く、開腹全摘決定

・2013年10月18日
この日、開業医からの紹介状とMRIを持って行きました。
最初に普通の産婦人科における簡単な問診のやり取りがあった後、
泣蜂  :「10年間漢方の煎じ薬を飲んできたが、お腹が大きくなってしまって、 手術するのなら、年末年始の休みを利用したいんですけど。」 

私がこの後「他に方法があるのなら、それは教えて欲しい。」と続けようと思っていたのですが、 そこへ北医師が間髪入れずに言ってきました。

北医師 :「私の手術の予約は2月までいっぱいなので、 年末年始を希望するのなら12月20日に手術予約を取るので、下の先生にまわって下さい。 筋腫が小さければ薬物療法もありますけど、あなたの場合は大きいから、子宮全摘になります。」 
子宮筋腫の治療方針一覧表を出してきて表の全摘の欄に書かれていることをそのまま言われました。

他は「当科で手術を申込まれるときにご了解いただきたいこと」を渡され、〇印のついているところを読んでおくように言われました。
手術の注意点や説明等が書かれていましたが、渡されただけでは、患者は質問や希望を言う事が出来ません。
最後に言われたのが「何かあったら、あなたの主治医は宮本ですから宮本医師に言って下さい。」でした。

いろいろな治療方法を教えてもらえると思っていた私は、「全摘」と言われ、 ここでも全摘しかないのかとショックを受け、頭が真っ白になり、何も言えなくなっていました。
また、全摘という女性にとって、重大な手術がいとも簡単に決まり、診察もあっという間に終わってしまい、 診察室をさっさと追い出されたという感じでした。
その速さに驚きを禁じえませんでした。

MRIの説明すらなく、時間が無いという 印象を受けました。
所謂、当時よく言われていた典型的な3時間待ちの3分間診療でした。
久しぶりに大きな病院に来た私は「こんなものなの!?」と、診察室を出てから思いました。
この後、術前検査を受けて帰りました。

当時の私は、子宮筋腫の治療方法も、その治療方法がどのようにして決まるのかという事も知りませんでした。
アゴニスト療法の事も知りませんでした。
今までかかった産婦人科医は誰も私に、アゴニスト療法があるとは教えてくれませんでした。
そしてそれは北正人医師も一緒でした。
私が核出術経験者だからです。
知っていると思われるのでしょう。
しかし、1度目の手術は子宮筋腫とわかって手術をしたわけではないので、アゴニスト療法の事を知らなかったのです。

だからこそ、ここの病院だといろいろと教えてもらえるだろうと期待していました。
私が希望を言ったら、きちんとしてもらえるだろうと信頼していました。
その病院で全摘と言われ、逆にそれしかないものと思い込んでしまいました。


前医でも手術と言われただけで、詳しい話は何もありませんでした。 
紹介状を書くにあたって、前医は北医師を指名しました。
腹腔鏡で出来る、出来ないは、医師の技量によって違います。
前医は、巨大筋腫に対して、腹腔鏡で出来るかどうかは、北医師に委ねたのかもしれません。

しかし腹腔鏡の話が出てこなかったのは明らかです。
当時、アゴニスト療法のことについて書かれた1枚物のプリントがありましたが、それはもらえず、 閉経前の逃込み療法、術前投与の説明はありませんでした。
術前投与の説明が無ければ、腹腔鏡も核出術の説明もありません。

手術痕の説明すらありませんでした。
診察時に「これ読んどいてね」と言われてもらった冊子の「当科で手術を申込まれるときにご了解いただきたいこと」の最後の頁に書かれていたのみでした。
腹腔鏡の欄に、○印はありません。
北正人医師は腹腔鏡の認定医で、人気者でした。

北正人医師の資格は「日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医・評議員・技術審査員」です。


だから予約が10月の時点で2月まで埋まっていたのです。

診察時に、私が言ったのは「手術するのなら」です。
その時の私は、仕事の事を気にして、あまり休んで会社に迷惑をかけたくない、そんな気持ちから、 そしてアゴニスト療法の事を知らないために、以前の手術の時と同じような感覚で年末年始と言いました。
それが逆に、手術に積極的だったと北医師に取られてしまいました。
年末年始の手術なら、アゴニスト療法をする暇はありません。
アゴニスト療法をしなければ、必然的に開腹全摘になります。
北医師には、話も聞いてもらえないどころか、日本語すら通じませんでした。
難しい、危険な手術になるという説明もありませんでした。
北医師の都合と私の年末年始が一致し、私は都合のいい患者となってしまったのです。
北医師が子宮温存や妊娠希望の問診をしてくれていたらこんな事にはなりませんでした。
カルテにあるのは手術希望だけです。
後に行ったセカンドオピニオンの大阪大学附属病院の教授から「やり取りに行き違いがあったように思う」と言われました。
やり取りの行き違いで、いきなり開腹全摘と決まったら、たまったものではありません。

尚、カルテも参考までに挙げておきます。

この日のカルテ。手術希望だけで、全摘希望、温存希望、妊娠希望は一切ありません。
この日のカルテ。手術希望だけで、全摘希望・温存希望なし、・挙児希望なしとはありません。
子宮筋腫治療一覧表:薬物療法や動脈塞栓術等の説明は一切なく、全摘のみの説明でした。
子宮筋腫治療一覧表:薬物療法や動脈塞栓術等の説明は一切なく、全摘のみの説明でした。
子宮筋腫開腹手術の臍上からの手術痕のイラストと腹腔鏡手術のイラスト。両方とも説明はありませんでした。
子宮筋腫開腹手術の臍上からの手術痕のイラストと腹腔鏡手術のイラスト。両方とも説明はありませんでした。

四谷メディカルキューブの腹腔鏡手術


四谷メディカルキューブで手術を受けた患者さんのブログです。


「手術の方法について先生は、
『普通の病院だったら、99%開腹で、子宮全摘しかないっていわれますが、 その場合、15センチくらい縦にきります。
ウチでは、筋腫を取り出すために横に七センチくらい切りますが、 腹腔鏡補助下手術でやれます。ウチではそれをやるだけの技術はあります』

先生のこの言葉の、力強さ、ありがたさっていったら、もう……。

そして、先生はこう続けられました。

『ここで大事なのが。子宮の取り扱いです。
普通、この年齢だったら、まず全摘出しかないといわれるでしょう。
でも、ウチではそうはきめつけませんから。 子宮は子どもを生むための臓器ですけど、 それだけではなく、女性として残したいという気持ちはあって当然なのです。
だからそういう希望があれば、なるべくそれに沿うようにします。
どうしますか?
これしかないという風にしないで、選択肢を出すというのも医療のうちだと思っています』

と言われました。

前回の診療から三週間ほどの間、考えに考え、 金額的なこともふまえ(子宮を残す場合、この病院では保険外になるため130万円かかるのです)
子宮全摘出に傾いている旨をつたえ、子宮を取って弊害はないのかと、 もういままでいろんな病院で何度してきたかわからない質問をすると、

『そうですね。子宮摘出しても医学的には、何も問題ありません。
よく、更年期が早くきたとか、ホルモンバランスが崩れたという体験談もありますが、それは子宮ととってもとらなくても影響はないんです。
問題になるのは、むしろ精神的な理由です。
喪失感が大きいと、それが理由で術後に具合の悪くなる患者さんは確かにいて、実際そういう患者さんもみてきました。
子どもがいない方、特に長いこと不妊治療をしてきた方は特に、子宮を失うことの喪失感が大きく、 そのことが強く影響するんですね。
だけど逆に、いままで生理がとてもいやだったという人は、なくなってせいせいした、といって逆に元気になる方もいます』


こうして、ようやく意を決して
『それでは、全摘でお願いします』と先生にお伝えし、

先生は、それをPCに入力しました。


いよいよ子宮がなくなるんだなぁという感慨が一瞬よりぎましたが、 でもむしろ高揚感の方が強かったです。

そして、手術の前にホルモン療法については、
『僕は、ホルモン療法なしで手術しようとおもいます』とのこと、
ちょっと驚いて、だってこんなに大きいのに大丈夫なのですかと、思わず(よく考えたら)失礼な質問すると、

『普通は筋腫が大きいと、その後ろが見えないので嫌がるのですが、 今回は、下を七センチ切りますよね。
見えなければ、そこから手を入れて触って確認すればよいのです。
ここまで筋腫が大きくなっていると、苦しい思いをしてホルモン療法をしても、どこまで小さくなるかわかりません。
苦しいことは一つでも減らしましょう』

とのこと。 そして、

『その技術はあります』

と先生は再びおっしゃいました。」

※退院後に見つけて、感動したのでコピペしてとっておいたものです。
患者の立場・気持ちを慮り、寄り添い、患者の意思を尊重する医師の人柄・姿勢が見受けられます。
他にも、患者への気遣いの言葉・対応が先生だけでなく、受付の方も素晴らしかったというような事が書かれていたように思います。
やはり、術前にいろいろな病院に行かれたような事も書かれていました。
セカンドオピニオン・サードオピニオンの大切さがわかります。
残念ながら、再び探してみましたが見つける事が出来ませんでした。
少なくとも、このブログでは、子宮をどうするかの問診をして、それをきっちりとカルテに記載されているのがわかります。